エンガディナーと紅茶のペアリングメモ①

ペアリングについて

ペアリング第2弾
今回のエンガディナーは割としっかりとした重さもある焼き菓子。
ペアリングで重要なポイントは
「タルト生地」と「くるみキャラメル」この2つの要素だと思う。
合わせる紅茶の「味わい深さ」「香りの相性」がペアリングの良し悪しに繋がってくるはず。

エンガディナーについて

今回も手作りエンガディナーで検証します。
バターのしっかりしたタルト生地でくるみキャラメルを挟んだお菓子。
タルト生地の風味、キャラメルの甘さとクルミのザクザク感が楽しめる味わい。
お菓子の詳細やお菓子作りに関しては前回の記事をどうぞ。
エンガディナーを作ってみた。

合わせる紅茶

ダージリン

☕ ダージリン
軽やかで香り高い、繊細さが魅力の紅茶。
香ばしくハッキリとした上品で大人っぽい印象の香り。
2ndフラッシュと呼ばれる夏摘みのお茶を使用。

アッサム

☕ アッサム
コクと甘みが強く、まろやかな深みが特徴の紅茶。
モルティーと表現される、麦芽や焼き芋のような
厚みのある風味を持ち、ミルクとの相性が良い。

セイロンブレンド

☕ セイロンブレンド
黒糖を思わせる華やかな香りと深みのある味わいを持つ紅茶。
スリランカの中でもローグロウンと言われる
低標高の産地の紅茶をブレンド。
コクもあり、後味にキレのある味わい。
ミルクティにも向き、飲み応えを感じさせる。

予想順位

セイロンブレンド > アッサム > ダージリン


予想した理由

  • セイロンブレンド
    • 黒糖感・甘みのある香りがキャラメルと合いそう
    • ブレンドからくる多層性はどっしりとした味わいと調和しそう
  • アッサム
    • バター・くるみ・キャラメルに負けないコク
    • サブレの香ばしさとは相性が良さそう
  • ダージリン
    • 香ばしい香りはお菓子に負けなさそう
    • 甘さの強いお菓子に対して、やや主張が弱くなるかも?

合わせてみた結果

ダージリン

サブレ部分との相性が意外と悪くない。
サクッとした軽い食感と、ダージリンのすっきりとした味わいがよく合い、全体として軽快な印象を受ける。
ただ、香りの純粋な相性としてはアッサムの方が良いように感じた。
一方で、くるみキャラメルとの香りの相性は良好。
キャラメルと合わせることでダージリンの香ばしさは少しおとなしくなるが、その分、茶葉由来の甘みや奥のほうから本来持っていた優しい香りが引き立つ。
全体として合わせた時には、ダージリンの香ばしさよりも茶葉の優しい甘味が立ち、最初の印象よりも柔らかい組み合わせに変化する。
合わせた時に紅茶の雰囲気が変わる、変化を感じさせてくれる組み合わせ。

アッサム

アッサムは、タルト生地と非常によく調和する。一体感があり、口溶けまでも良く感じられるのが印象的。
味わいがすっと伸びていく感覚があり、アッサムのまろやかさ、余韻の長さが、この組み合わせの魅力に感じる。
その反面、くるみキャラメルに対して存在感はやや弱く感じた。キャラメルの甘さがアッサムのバランスの良さを少し崩しているようにも思え、全体がやや水っぽく感じられる場面もある。浮いているほどではないが、「調和している」感じがしなかった。
全体で見ると、やはりタルト生地の印象が強く引き出される。バターの風味がアッサムと非常にマッチ。
バターとのリッチな印象を感じさせつつも、くるみキャラメルが特徴のエンガディナーを、クッキーテイスト強めに感じされてしまうのはもったいない感じがした。

セイロンブレンド

最後にセイロンブレンド。
一口で相性良さそうだと感じた。
セイロンブレンド特有の黒糖感のある香りがふわっと広がる。
サブレ部分に対しては風味の大きな変化は感じられず、相性の良し悪しは特に感じなかった。
反面、くるみキャラメルと合わせると甘さが前に出てきて、
他の紅茶では感じられなかった「砂糖的な甘さ」の存在感が際立つ。
余韻には再び黒糖系の香りが広がり、最後まで紅茶の存在をしっかり感じられるのも印象的。
飲み終わりにじんわりと残る渋味は、満足感を感じさせ、セイロンブレンドならではの個性だと感じた。
くるみキャラメルとの相性の良さから香りが引き立った、ペアリングの良さを感じた。

振り返り

結構面白いペアリングになった気がする。
パーツを分解すると、
タルト生地と相性がいいのはアッサム>ダージリン>セイロンブレンド
くるみキャラメルにはセイロンブレンド>ダージリン>アッサム 
パーツ毎ではなく、実際のエンガディナーとして合わせると
セイロンブレンド>ダージリンorアッサムという感じだった。

考察

ペアリング理論では、
組み合わせるもの同士が近い香り成分を持っているほど、相性が良くなりやすいとされている。
この考え方をもとにタルト生地の香りに注目してみると、アッサムとダージリンには共通点があり、香りを引き立て合ったり、逆に一部を抑え合ったりする関係性が生まれているように感じられた。
一方、くるみキャラメルとの組み合わせでは、セイロンブレンドやダージリンが特に相性が良かった。

味わいの面では、セイロンブレンドが最もはっきりとした存在感を示した。味の輪郭が明確で、後味のキレも良いため、タルトの甘さに埋もれず、紅茶そのものの印象がしっかり残る。
対してアッサムは、もともと非常にまろやかな紅茶であった為、アッサム自身の甘さを感じられず、ややバランスが崩れたように感じた。
このことから、甘みのある紅茶が必ずしも甘いお菓子と相性が良いとは限らない、という点は改めて実感できた。

ただ、アッサムについては別の可能性も感じている。もともとまろやかさのある紅茶なので、茶葉の量を少し増やして濃く抽出しても、味のバランスは崩れにくく、ストレートでも飲み応えのある一杯になりそうだ。そうした抽出であれば、ペアリングの際にもお菓子の甘さに引っ張られすぎず、より安定した組み合わせになるのではないかと思う。今後は、茶葉を多めにしてしっかり抽出した場合と、あえて飲みやすさを重視した抽出の2パターンで、ペアリングの印象を比べてみるのも面白そうだ。紅茶の抽出条件ひとつで、ペアリングの見え方がどこまで変わるのか、もう少し掘り下げて検証してみたい。

まとめ

  • タルト生地のバターの風味をリッチに味わいたいならアッサム
  • お菓子との変化を楽しむならダージリン
  • 香りの良さ、満足感のあるペアリングを楽しむならセイロンブレンド

次もエンガディナーのペアリングを別のお茶でしてみる予定です。

ではまた~